バイクのエンジンオイル選び方 ~4ストロークエンジン用オイル 基本よりちょっとレベルアップ編~
皆様、こんにちは。松山店のゴーストライターSです。
今回は好評?の『エンジンオイル選び術』シリーズの第2弾
バイクのエンジンオイル選び術
~4ストロークエンジン用オイル
基本より
ちょっとレベルアップ編~
今回は
●エンジンオイルの粘度(粘り気)
●エンジンオイルの規格
に関することを中心に書いていきます。
前回、
エンジンオイル選びの大・大・大前提として押さえていただきたいのは
《車両メーカーが指定する粘度》
《車両メーカーが指定する規格》
のオイルを選ぶことが”基本”
と書きました。
まずは《粘度》(粘り気)について触れていきます。

オイルの缶・ボトルに書いてある
「10W-40」とか「10W-50」とか「5W-40」とか・・・
そう!これが《粘度》の表記です!
粘度の表記の見方はこんな感じです―――

ハイフンから左の「W」がついている数字が
「低温粘度」「ウインターグレード」
といわれる数字です。
小さくなればなるほど低温時の粘度が低く(流動性が良く)なります。
すなわち、エンジンの始動性が良くなる
(=エンジンがかかりやすくなる)んですね。

ハイフンから右の数字が
「高温粘度」「サマーグレード」
といわれる数字です。
この数字が大きくなるほど、高温時の粘度が高くなります。いわば「ネバい」状態ですね。
理論上、高粘度―――いわば「ネバい」程、
高温時――いわば走行時(エンジンがメチャメチャ熱い時)での
“耐摩耗性”や”油膜の強度”が高くなります。
油膜っていうのは、けっこう大事な要素で、
エンジンオイルの”油膜”でエンジンを守っていると言っても過言ではありません。
そもそも、エンジンオイルの役割として
潤滑・冷却・密封・防錆・洗浄・クラッチ摩擦・極圧・応力分散
というのがあります。いっぱいありますねぇ~・・・。
筆者、思い出すのにちょっと時間かかりました(;^_^A
※エンジンオイルの役割については、当サイトでわかりやすく説明してくれている記事がありますので、そちらもあわせてご覧ください
↓ ↓
「勉強ブログ③~エンジンオイルの役割~」
無理矢理一言でざっくり言うなら
粘度の数字が小さい程「サラサラ」したオイル
粘度の数字が大きい程「ネバい」オイル
になる傾向があります。
“サラサラした”オイルを「柔らかい」
“ネバい”オイルを「硬い」
と言い表すことが多いですね。
今後の『エンジンオイル選び術』シリーズでも
「柔らかい」
「硬い」
という表現、よく出てきます。
どうか記憶に留めておいてください。
続いて《規格》について触れていきます。
前回の記事で触れた《規格》は3種類ありました。
SAE規格
JASO規格
API規格
の3つですね。
まずはSAE規格。
すみません、これはもう触れてしまいました。
SAE規格は《粘度》に関する規格です。
「10W-40」とか「10W-50」とか「5W-40」とかの粘度は
この規格によって決まっています。
ただ、この粘度表記については、
基準はあるものの、ある意味「目安」のような感じでもあります。
店舗スタッフやメーカースタッフから、
「このオイルは、10W-40の中でも柔らかい方なんですよねぇ~」
みたいなことを言われたことはありませんか?
同じ粘度表記のオイルでも
少々の「柔らかい(サラサラ)・硬い(ネバい)」の差があります。
次にJASO規格。

これは、日本自動車規格によって定められたエンジンオイルの規格です。
二輪車用の規格では
MA2・MA1・MA・MB
の4種類に分かれています。
この4種類はクラッチ摩擦特性指数―――
要は「クラッチの滑りにくさ」の違いであって、
性能が良い・悪いというわけではないんですね。
傾向として、
マニュアルミッション車はMA
スクーターはMB
が指定になっていることが多いです。
※たま~に、「マニュアルミッション車だけどMB指定」になっている車両もあります。ご注意ください。
某マンガのキャラクターのセリフをパクッてしまいますが、
ご自分の車両の指定の粘度・規格は「要チェックや!」ですよ?
ちなみに、MA2・MA1はMAが細分化されているだけ―――
という解釈で概ね問題無いですよ(^^)
そしてAPI規格。

これは一言で言うなら「エンジンオイルの品質を定めた規格」です。
省燃費性・耐熱性・耐摩耗性等、エンジンオイルに必要な性能を設定した規格です。
アルファベット2文字で表記されていて「S」の後ろのアルファベットが進むほど
高いグレード―――ということです。
言い換えれば「エンジンオイルの性能が良くなっていっている」ということですね。
2025年現在、最も新しい規格は「SP」となっています。
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今回は
●エンジンオイルの粘度
●エンジンオイルの規格
について触れました。
粘度や規格の表記のカラクリは概ね上記のような感じです。
「《指定の粘度》って言うけど、
指定の粘度以外入れても良いの?ダメなの?」
といった疑問をお持ちになった方もいらっしゃるかと思いますが、
その辺は今後の記事で触れていきます。
それでは、今回はこの辺で失礼いたします。